制作室からこんにちは。
キルト作家の畠中真由美(ハタケナカマユミ)です。
記念すべき初めてのブログ投稿は、インド伝統手工芸と
キルトのコラボレーションのお話でも。
世界の手工芸とコラボという、なんともワクワクする
新しい挑戦を楽しみながら制作させていただきました。
あまりに美しいインド手工芸作品
ご依頼主様が、インド最西端・グジャラート地方を訪れ、
ご依頼主様の審美眼で選ばれた、インド手芸品の数々。
インドシルクの手触りや糸の発色等、
それらのあまりの美しさに驚愕しました。
日本の美しい手仕事とはまたひと味違う、
カラフルでありながらも、
上品かつ繊細で緻密なインドの伝統手工芸。
それはそれは圧巻です。
キルターならではのお仕立てを施しました。
現地で買付けされた貴重な伝統手工芸作品の数々を、
「このまま眠ってしまいそうなので、
お仕立てしていただけないだろうか」と
ご依頼を賜った際に、すぐに私の頭の中では、
この作品は額装して・・・
この作品はタペストリーにと、
形になる姿が浮かんだため、
キルターならではの様々な加工をして
お仕立てをさせていただきました
今日は中でも一番大きい作品の
ROGANART(ローガンアート)と
キルトのコラボレーション作品のご紹介です。
ROGANART・ローガンアートとは
インド、グジャラート地域に生息している植物から、
ひまし油を抽出し、顔料を混ぜて粘り気のある
染料を作り、布に模様を施すペイントアート。
それはまた、二ローナ村の一家族だけに伝承されている、
貴重な伝統文化だそうです。
モチーフの生命の樹に○のアイロンシート
ご依頼主様が選ばれたモチーフは生命の樹。
下記の写真は、キルトアートを施す前の写真です。
中央の黒い部分の空間に、独自のキルトアートを施すため
数種類のキルトデザインを作成しましたが、
シンプルな○を置いた際に、円のアーチが生まれ
『これしかない!』と◯のアイロンシートを
ひとつひとつ切り抜きピンセットで配置しています。
普段、この○のオリジナルアイロンシートを使う際は、
切り離さず連続で貼り付けるのですが、
その方法だと全体的に○が傾いてしまうために
今回はひと円ごと、根気強く並べての作業です。
こういう地道な作業が実は大好きなのです。
キルト綿を挟んでミシンキルト加工
このROGANARTを初めて見た際に、
キルト綿を挟んでキルト加工すると
美しい図柄が、キルトの陰影によって
より美しくなると長年の経験から確信しました。
○の際とROGANART染料がのっていない
僅かな空間を狙って、黒の布の上を黒糸で
ミシンで落としキルトを入れています。
主役はあくまでROGANNARTの生命の樹。
決してキルトが浮き立ちすぎないよう、
見計らいながらの作業です。
さあ、全体にキルトが入りました。いかがでしょう?
シンプルで飾り気のない○は、まるで究極の曼荼羅のようだと
出来上がった作品を眺めいったのでした。
作品との出会いも一期一会
この作品がROGANNARTというぺイントアートであることを、
実は納品の際に初めて知ったのです。
もしも最初に知っていたならば、たくさん調べて、
逆に伝統手工芸に怖気付いて作れなかったかも知れません。
このご依頼がなければおそらく一生、
私はインドのROGAN ARTを
知らなかったでしょう。
ご覧になられた皆様も、頭の片隅に
インドクラフツのROGANNARTが
入ったでしょうか。
人との出会いも作品との出会いも一期一会ですね。
素晴らしいインドクラフトのお仕立てに
携わらせて頂き感謝致します。
ブログをご覧の皆さまにおかれましても、
額装や作品化でお悩みの際は
遠路なく下記からお気軽にご相談ください。
お力になれることがあるかもしれません。